訪問看護ステーションで働く看護師の仕事内容

2020.09.02掲載
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お役立ち情報

訪問看護ステーションでの仕事内容・役割

訪問看護師は、病院やクリニックから往診するのではなく、所属する訪問看護ステーションから直接、利用者の住む場所に向かいます。そこで利用者の主治医の指示書に基づいた医療処置を行うのです。その内容は利用者によって変わりますが、カテーテルの交換やインシュリンの注射、点滴、血糖値の測定などが代表的なものとなります。

また、利用者の健康状態をチェックして、主治医に報告することも大切です。 体温はもちろん、血圧や脈拍、呼吸などを一通り調べて記録することになります。持病のある場合は、その状態を確認する必要もあり、利用者に健康に関するアドバイスを行うことも重要です。利用者が終末期を迎えている場合は、痛みのコントロールや緩和などの処置も求められます。

さらに、利用者がより良い療養生活を送れるように援助することも、訪問看護師の職域に含まれます。具体的には食事や排泄、清潔な部屋の維持などをサポートします。万全の体制が組まれた病院とは、異なる療養環境を作っていくのです。また、利用者の状態や療養内容に合わせて、褥創(じょくそう)防止や服薬・栄養摂取の指導、嚥下訓練、歩行訓練などを行う場合もあります。機能回復を目指す利用者には、入浴や外出訓練などのケアを行うこともあります。 その上で訪問看護師に求められるのが、「利用者とその家族のメンタルサポート」です。関わる人の負荷が大きい在宅療養は、利用者と家族が快適に療養を進めるためのメンタルケアが欠かせないのです。

訪問看護ステーションで働く看護師のメリット・デメリット

訪問看護師として働く最大のメリットは、夜勤がない仕事なのに高収入が得られることでしょう。報酬が高い要因は、訪問先であらゆることを一人で責任を持って行うということがほかの看護師の仕事と異なるためで、一定以上の経験や深い医療知識に基づいた行動が必要になります。
また、時間を絞って働くことができる点も見逃せません。例えば午前中だけ働く、あるいは週に3日だけ働くといった働き方を選べる求人がたくさんあります。小さな子供がいる人でも1日に訪問する件数を予め決めておけば、必要な時間を逆算できますのでパート感覚で働くことができます。

一人ひとりの利用者と長い期間関わることになりますので、それぞれの症状や環境に合った診療方針を立てることが可能です。利用者と1対1で、あるいは利用者の家族も交えて話し合い、より良い療養生活を送るために取り組むことができます。個と個の深い信頼関係が築けることは、ほかでは得がたい訪問看護師ならではのやりがいになることでしょう。

しかし、基本的に一人ですべてを行う仕事ですから看護師に大きな負担がかかることは否めません。病院のように、その場ですぐに相談できる先輩や同僚もいません。利用者との相性が悪かったとき、療養環境に変化があったとき、誰にも話せず抱えこんでしまう可能性もあります。まだ新しい仕事でもありますので、事業者による教育やフォロー体制が整っていないことも問題です。同様に、訪問看護を受ける側も慣れていないことが多いので、さまざまなズレが生じることもあるでしょう。 しかし、それでもなお、これからの時代の看護師が目指す姿としてひとつの形を示していることは間違いありません。

訪問看護ステーション勤務に向いている看護師

病院の看護師は「大勢いる看護師の一人」という立ち位置になります。もちろん、それぞれの看護師は高い意識を持って働いていますが、患者の立場から考えるとそのようなイメージが強いと思われます。 しかし、訪問看護師は違います。利用者やその家族にとって、決まった時間に我が家を訪れて診療を行い、ともに療養方針を立て、より良い環境のためにケアする看護師はやはり利用者の方にも大きな存在となるでしょう。 このような深い関係を作れることは、今後の看護師の仕事や生きていく上で大きな財産になります。看護師の仕事は、どんな職種・場所でもコミュニケーション能力が必要ですが、訪問看護師は特に求められます。

また、持病がある人、痴呆症の症状が現れた人、大きな事故からの復帰を目指す人、人生の最期を自宅で迎えたい人…。住み慣れた家で療養生活を送る利用者は、実にさまざまです。多くの経験を積んだ看護師であっても、完璧にこなすことは難しいかもしれません。それでも、相手に合わせ、文献を読み、 症例を調べ、より良い環境づくりを実現するために邁進できる。そういう意識を持った看護師は、現場でも重宝されています。

訪問看護ステーションで働く看護師に必要なスキル・資格

訪問看護師になるには、いくつかの条件をクリアする必要があります。大前提として、看護師もしくは准看護師の資格を持っていること。次いで訪問看護を行う病院、あるいは訪問看護ステーションに所属していることです。訪問看護を行う病院はまだあまり増えていませんが、患者の退院後のフォローに力を入れている施設が積極的に取り組んでいます。 訪問看護ステーションは、医療法人以外でも運営できる組織で、全国に多くの事業者が存在しています。

そして最後に、看護師としての臨床経験が3~5年あることも条件として挙げられます。看護師個人による判断が重要な業務ですので、一定以上のスキルが大前提ということです。また、訪問看護師の仕事について知識を有し、積極的に学ぶ姿勢があることも求められます。

勤務先を決める際に注意すること

訪問看護は新しい事業で、訪問看護師の絶対数がまだ少ないこともあり、事業所によっては利用者と所属する看護師の数のバランスが取れていないケースもあるようです。こういった職場に入ってしまうと、休みが思うように取れないといった弊害が生じてしまいます。しっかり運営されている求人サイトや、信頼できる人の紹介以外に飛びつかないようにしましょう。また、大きな医療法人や企業が運営しているところは安心ですが、中には福利厚生や教育体制が整っていない場合もあります。実際に所属しないと見えない部分については、事前にコンサルタントに詳細な情報をお尋ねいただくのがいいでしょう。