老人ホームで働く看護師の仕事内容

2020.09.12掲載
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老人ホームでの仕事内容・役割

老人ホームで看護師に求められるのは「入居者の健康管理」が第一です。老人ホームは、あくまで高齢者が集う生活の場であり、高齢者の病院ではないため、 介護老人福祉施設を除く老人ホームには医師が常駐しておりません。このため、入居者の健康をしっかりチェックする役割を看護師が担うことになります。施設の協力医の指示に基づいて必要な処置を行い、各人の服薬を管理することはもちろん、定期健康診断の手配や、同じ施設で働く介護職員と連携することも大切な仕事となります。また、入居者本人から体調について話を聞き、毎日の生活から健康状態をしっかりと把握し、変化があったときに適切な対応を迅速に行う必要があります。つまり、介護職員や協力医との綿密な連絡は欠かせません。

その一方で、入居者の家族から情報を得ることや、逆に健康状態について報告を求められることもあります。いずれも入居者の緊急時に、スムーズに医療機関に対応してもらうための重要な業務です。それだけ多くの関係者との連携が求められる仕事になりますから、看護師としての基本的な能力だけではなく、高いコミュニケーション能力やサービス精神が求められます。

老人ホームの種類・規模による違い

老人ホームには、自宅で介助を受けられない高齢者を行政が養護する「養護老人ホーム」、常時介護が必要な高齢者が入居する「特別養護老人ホーム」、無料あるいは低額で日常生活をサポートする 「軽費老人ホーム」など、さまざまな種類があります。

また、介護の有無だけではなく、生活支援だけを行う住宅型のサービスもありますから、入居者の希望や健康状態に合わせて施設を選択できることも大きな特徴です。 なお、施設の規模は入居者の健康状態によっておおよそ決まっており、自分で身の回りのことの大半をこなせる(元気な)方が多い老人ホームは比較的規模が大きく、介護者の手助けが必要な要介護者向けの施設は50室未満の小規模な施設がほとんどとなっています。

また、看護師の求人が多い介護付有料老人ホームは、入居者の数によって看護師の人数が定められており、入居者が30名までの施設では1名、31~80名までの施設は2名、 81~130名までの施設は3名となっています。その一方で、勤務時間については決まりがなく、施設によっては24時間ずっと看護師がいる必要がないこともあります。このため、日中(日勤)だけという求人も多く見られます。

老人ホームで働く看護師のメリット・デメリット

老人ホームで働く看護師の特徴は、仕事内容が一般的な病院の看護師と比べて業務負荷が軽いことが挙げられます。これは、おもな仕事が日々の健康チェックと服薬の管理になるからです。高齢者が入居する施設ではありますが、重篤な病気を抱えている方が少ないため、高度な医療処置を求められる機会はあまりありません。医療行為が必要な場合は、入居者の方に付き添って通院し、医師や病院の看護師に入居者の状態を伝えることを求められます。

また、急患の対応が発生することも少ないため、突発的な残業が必要なケースも少なく、勤務時間が安定している点も見逃せません。こうした仕事内容から、結婚や出産などでブランクのある看護師が復職する場として注目を集めています。老人ホームは年々増加しているため、求人が非常に多いことも特徴です。

その一方で、大半の施設で看護師は少数精鋭、ときには一人だけということもあります。職域がきちんと分けられていない施設の場合、介護の仕事を手伝う場面が増えるかもしれません。毎日の医療行為がなく、病院で開かれているような研修や勉強会も望めませんから、スキルアップを図ることは難しくなります。看護師として現場経験を積み、キャリアアップを目指している人には向いていないかもしれません。 逆に、看護に加えて介護のスキルを伸ばしたい人には最適の職場といえるでしょう。

老人ホーム勤務に向いている看護師

入居者の健康状態を確認する仕事ですから、入居する高齢者との交流は必須となります。部屋を訪問した際の日常会話から、服薬や健康についてのアドバイス、施設内でのコミュニケーションまで幅広く行う必要がありますので、 高齢者との交流が好きな人にとても向いています。老人ホームの入居者は短期ではなく、長年にわたってお付き合いしていくことになりますので、信頼関係をじっくりと築くことができます。

また、施設の介護者や協力医、機能訓練指導員、入居者の家族など、複数の立場の人と連携し、健康を管理するチームケアに魅力を感じられる人にも向いているでしょう。 老人看護や高齢者の生活介助、認知症への対応、ターミナルケアといった分野に興味がある人にもおすすめです。

老人ホームで働く看護師に必要なスキル・資格

入居者一人ひとりの体の状態を把握し、健康を維持することが老人ホームの看護師には求められます。「食事の内容や柔らかさの指示を出す」「レクリエーションや運動など、施設内のさまざまな活動への参加の可否を決める」「入浴前に体調をチェックする」 「服薬を管理する」といった業務を、長期的な視点で行えることが大切になります。これらを遂行するには、同じ施設のスタッフ、外部の協力医らとの関係の構築も重要です。

また、緊急時には応急手当をする必要もありますので、看護師としての能力もしっかり求められます。

こんな方におすすめ

一口に老人ホームと言っても、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・有料老人ホームなど、形態は複数あり、施設の特徴はさまざまです。 ただ老人ホームに共通して言えることは、治療の場ではなく、生活の場であるということ。ご入居者のADLやQOL向上やご家族の満足度向上が求められます。一人ひとりに寄り添い、長期間向き合えるのは老人ホームの特徴です。夜勤なし、残業少な目の施設も多く、働きやすさの観点からもお勧めの職場です。

また、下記のいずれかの考えに当てはまる方には特におすすめの職場です。
1.高齢者との交流がお好きな方
2.ご入居者と長期的に信頼関係を作っていきたい方
3.協力医・施設長・介護職や機能訓練員などとチームケアを実現したい方
4.生活の看護、認知症対応、ターミナルケアなどへの関心がある方