介護がはじまったらすべきこと
いずれのパターンを辿ったとしても、実際に親の介護の必要性を目の前に突きつけられると、誰しも戸惑ってしまうものです。ここでは、介護が必要だと判明したあとにするべきことを解説してきます。
◆まずは地域包括支援センターに行く
介護がはじまったら、必ず専門家に相談しましょう。相談先としておすすめなのが地域包括支援センターです。
地域包括支援センターは各自治体に設置されており、介護に関する悩みや相談を受け付けてくれるところです。「何が分からないのか分からない」状態の人も、「介護が必要といわれたけれど、どうすればいいでしょうか?」と率直に相談してみましょう。
◆要介護認定をうける
次は「要介護認定」をうけましょう。在宅介護、遠距離介護、施設介護のいずれを選ぶとしても、介護サービスをうけるには「要介護認定」が必要です。「要介護認定」には申請書が必要です。申請書は市役所にもらいにいくか、市役所のホームページからダウンロードしましょう。申請は無料で、ケアマネジャーが代行して行うこともできます。
◆ケアプランを作成する
要介護認定が無事とれたら、次はケアプランを作成しましょう。ケアプランとは、1ヶ月の介護スケジュールのこと。ケアプランは、本人や家族と協議した上で、ケアマネジャーという人が作成してくれます。
ケアマネジャーは介護のスペシャリストで、あなたの介護生活の心強い理解者であり相談者でもあります。介護でわからないことや不安なことがあれば、ケアマネジャーに相談してみましょう。
ここまでできたら、介護保険サービスの利用が開始されます。
◆施設介護の場合は施設を探す
施設介護の場合は、施設を探す必要があります。施設にもたくさんの種類があるので、まずはインターネットなどで自宅付近の施設を検索してみましょう。ここでは、いくつか代表的な施設の種類を紹介します。
1.特別養護老人ホーム
1つ目は特別養護老人ホームです。 特別養護老人ホームとは、介護を必要とする65歳以上の方が入居できる公的な施設のこと。介護保険サービスの一つであるため、利用料が安く抑えられるというメリットがあります。有料老人ホームのような一時金も必要ありません。
ただし、入居要件として介護度3以上(※1)であることが定められており、誰でも入居できるわけではないという点に注意です。また利用料の安さから入居希望者が多く、なかなか入居できないケースもあります。
※1 介護度1、2 の方も特例として入居が可能
2.介護付有料老人ホーム
2つ目は介護付き有料老人ホームです。介護付き有料老人ホームとは、介護サービスがついた高齢者向けの居住施設のこと。介護・看護スタッフが24時間体制で対応しており、食事や入浴、排せつなどの介助サービスなどをうけることができます。特別養護老人ホームのような入居条件を設けている施設はあまりなく、原則誰でも入居できます(※2)。
入居には、入居するときに支払う「入居一時金」と、月々支払う「月額料金」が必要です。ただしプランによっては、「入居一時金」なしで「月額料金」だけとするところもあります。これらの費用は、特別養護老人ホームにくらべると割高です。
※2 「介護専用型」の場合は要介護1以上の介護認定が必要
3.住宅型有料老人ホーム
3つ目は住宅型有料老人ホームです。住宅型有料老人ホームとは、生活支援サービスがついた高齢者向けの居住施設のこと。介護付き有料老人ホームとの違いは、介護サービスが外部サービス利用となる点です。
必要なサービスを自分で選択できるのが魅力ですが、介護付き有料老人ホームの介護サービス費が月額利用料に含まれているのに比べ、住宅型有料老人ホームでは月額利用料に含まれていないため、介護保険の限度額を超えると高額になるおそれがあります。